またまたグラミーで、77年からの途中を見ていませんが、80年代になってからでしょうか、司会がジョン・デンバーに替わっています。 彼は、映画「アルマゲドン」で使われたコアーズの「Leaving on a Jet Plane/悲しみのジェット・プレーン」、日本でもアニメ映画で使われたオリヴィア・ニュートン-ジョンの「Take Me Home, Country Roads/故郷へ帰りたい」、米コロラドの州歌にもなった「Rocky Mountain High/ロッキー・マウンテン・ハイ」などの原曲を歌い、作った人ですね。
記念すべき25回目のオープニングは豪華です。
広いステージに4台のグランド・ピアノを並べ、レイ、チャールズ、カウント・ベイシー、ジェリー・リー・ルイス、リトル・リチャードの4人が競演します。
そして歌も映画もヒットした「愛と青春の旅立ち」、勿論ジェニファー・ウォーンズ&ジョー・コッカーが登場して歌います。
懐かしの映像を流していると、「わぁ〜!若い!・・・」といったような声が聞かれますが、ジョー・コッカーの60年代から最近の姿まで見ている私としては、この声、この手振り、このいかにも飲兵衛風なオヤジの顔、あぁ〜ジョー・コッカーだぁ〜!という感じです。
デュオ/グループのカントリー・ヴォーカル賞のアラバマの演奏に続き、往年のミュージカル・スター、リナ・ホーン(知らない人ですが)が歌います。
グラミーが始まって四半世紀という事で、今回はその歴史を振り返るパフォーマンスやシーンが多く盛り込まれています。
自身の経歴とグラミーの歴史が重なるかのような活躍をしてきたカントリー界の大御所、ケニー・ロジャースも過去の受賞者の演奏シーンをバックに、音楽への熱い想いを込めつつしみじみと歌ってくれます。
そして新人賞部門でも、偉大なるオーストラリアの2発屋!メン・アット・ワークが「Down Under/ダウン・アンダー」を歌います。
新人賞のプレゼンターは、「新人だけでなく、これは未来のスター達のための賞で、そのリストにはトム・ジョーンズ、ベット・ミドラー、ビートルズ、ナタリー・コールなど目をみはる人達ばかりです。 今年リストに加わるのは・・・」 と言って最優秀新人賞がメン・アット・ワークである事を告げました。
さて彼らは新人賞のリストには加わりましたが、“未来のスター達”のリストにも加わったのでしょうか・・・?
また歴史を感じさせる人が出てきます。 故郷テキサスからの中継でウイリー・ネルソンが「You were always on my mind/オールウェイズ・オン・マイ・マインド」をしっとりと歌います。 この曲は60年代初期に3人のソングライターが書いた曲を女性歌手が歌ったのがオリジナルの筈ですが、誰でしたっけ?・・・ ネットで調べてもウイリー・ネルソンの他は、エルヴィス・プレスリーとペット・ショップ・ボーイズが出てくるだけで、エルヴィスがオリジナルと思っている人が多いようです。
ちなみにREMEMBERでは3つとも映像で見る事が出来ます。
続いて登場するハーヴィ&ムーングロウズも素晴らしいコーラスを聴かせてくれます。
50年代に活躍したヴォーカル・グループで、嘗てマーヴィン・ゲイも少しの間在籍していたようですが、映像で見るのは初めてなのでここで登場するのがオリジナル・メンバーなのかどうか・・・?
でも歳をとって多少かすれつつも、嘗てはしっとりしたテナー・ヴォイスであった事を想像させるリード・ヴォーカリスト、そして2枚看板のもう一人、ハーヴィ・クーファと思われる非常に渋いバリトン・ヴォイスのセリフ?・・・、これは今回のステージの為に20年ぶりに結集したのかもしれませんね。
貫禄も出てきたグラディス・ナイト&ピップスはモータウンの代表として紹介され、相変らずの歌いっぷりで聴かせてくれます。 〜ん、やっぱ上手い!
更には70年代にモータウン・サウンドを受け継ぐスピナーズが、聴き覚えのある曲を歌ってくれます。
あ、この人達の曲だったんだ・・・という感じです。
もう一人、モータウンで活躍したマーヴィン・ゲイが情感たっぷりに「Sexual Healing/セクシャル・ヒーリング」を歌い上げます。
一転してオペラの世界ですが、この部門で11回も受賞している、レオンティーン・プライスがプッチーニの「トスカ」からソプラノ・アリアを歌います。 すみません、全然知らない人です・・・。
更に女性ヴォーカルで、ポップとロックの2部門でノミネートされているリンダ・ロンシュタットが「Get Closer/ゲット・クローサー」をロック部門を意識してか、声を少し荒げて力強く歌います。
年代を追うごとに音楽のスタイルも、ファッション・スタイルや体型も男も変えてきた彼女ですが、この頃ってこんなだったかなぁ・・・?
25周年という事でグラミーの歴史を振り返るシーンの多い今回ですが、司会者でも70年代に活躍したアンディー・ウイリアムズの名司会ぶりのシーンが紹介された後本人が登場し、74年から新設された、グラミー以前の作品に対する殿堂入りが発表されます。
アメリカならではのカントリーやゴスペル部門では、やはり保守層の支持が多いという事でしょうか、大御所が強いです。
カントリーのビル・モンロー、ゴスペル部門で25年間グラミーの候補となり続けているザ・マスターズ・ファイヴ、どちらも知らない曲ですが貫禄と実力を見せてくれます。
1977年にグラミーを受賞した、カントリー系のクリスタル・ゲイルは彼女ならではのジャズやブルースのテイストを盛り込んだ織り込んだ曲を、彼女ならではの超ロング・ヘアをなびかせながら歌います。
エミルー・ハリスのバック・バンドをやっていたリッキー・スキャッグスも知らない曲を歌います。
余談ですが「Country Love Songs」というLDの中に、このエミルーがリードを取り、ドリ・パートンとリンダ・ロンシュタットがハモる「To Know Him is To Love Him/つのる想い」があります。
1987年の共演アルバムからの曲のビデオクリップですが、この頃のエミルーは所々微妙に消え入りそうな危うさと、かすかなハスキーさを伴いながらも澄み切った声で、何ともいえない艶っぽさを感じさせてくれました。
ところでこの邦題で「つのる想い」という曲は元々は「会ったとたんに一目ぼれ」という邦題であのフィル・スペクターが16歳の時に書いて、自ら結成したテディ・ベアーズが歌い、1958年に全米1位となった曲ですね。
ソロの最優秀ジャズ器楽賞候補として、60年代、70年代にも受賞している帝王マイルスの登場です。
「We Want Miles/ウィ・ワント・マイルス」を演奏した後、最優秀賞発表で彼の名前が読まれます。
ファッションにも非常に気を遣っているマイルスの演奏は、1985年のカナダ、モントリオール・ジャズ・フェスでのLDでも見る事が出来ます。 そういえばマイルスは時々後ろを向くシーンがあるのですが、「このジャケットの背中のデザインも見てくれ!」という事でしょうか・・・
ジャズ部門のプレゼンターとして登場する、エラ・フィッツジェラルドとマンハッタン・トランスファーが素晴らしいハーモニーとスキャットを聴かせてくれます。
スピーチ台の前で、分厚いレンズの眼鏡をかけたエラおばさんをマンハッタン・トランスファーが囲んで繰り広げるそのパフォーマンスは、とても発表の“ついで”という次元ではありません。 まあ、どれも“ついで”なんかじゃないんですけどね・・・、すみません。
エラおばさんも全盛期をとうに過ぎているけれど、どうしてどうして・・・まだまだ・・・って感じです。
マンハッタン・トランスファーも流石に脂の乗っている時期の実力派! こういう設定でも一分の隙もないハーモニーを聴かせてくれます。
この人達のリクエストで「トワイライト・ゾーン」を言われる事が多いのですが、この曲で彼らを評価されるのは寂しい限りです。
REMEMBERには1986年に来日時の中のサンプラザでのライヴ映像のレーザー・ディスクがあります。 スイングからドゥワップ、モダン・ジャズ、ミュージカル風、ロック調まで、彼らの魅力を余すところなく披露しています。
しかし9800円で買った彼らのLD、DVDになって2千円台で売られているのを見るのも寂しい限りです。
最後の締めは、音楽に変革をもたらした60年代を振り返るべくジョン・デンバーがメドレーで歌い、その最後をジョーン・バエズが「Blowin' In The Wind/風に吹かれて」で継ぎます。
グラミーも回を追うごとに部門も増え、放送時間も長くなり司会も大変でしょう。
ジョン・デンバーさん、お疲れ様です。
私も疲れました・・・。
Author:REMEMBER
静岡で1988年よりショットバーREMEMBERを経営する傍ら、2000年よりWeb運営も開始。
2007年よりその一部を本ブログに移行しました。
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